▼はじめに
ラグビーワールドカップフランス大会が終わり、今年の12月9日(土)にはリーグワンが開幕されます。
日本のリーグワンは、日本だけでなく、世界のトップレベルの選手達が数多く在籍しており、世界的で最も国際色豊かなラグビーリーグの1つです。
例えば、2022年度のリーグワンに所属していた選手を挙げると、世界最優秀選手に選ばれたことがある、ピーター・ステフ・デュトイ(トヨタヴェルブリッツ)やオーストラリアのトライゲッターである、マリカ・コロインベテ(埼玉ワイルドナイツ)です。
過去には、ニュージーランド代表の伝説的なスタンドオフであるダン・カーターやオーストラリアのジョージ・グレーガンも在籍していました。
今回紹介するのは、東京サントリーサンゴリアスです。
東京サントリーサンゴリアスは、2023年にフランスで開催されたラグビーワールドカップで、リーグワンのチームの中で2番目に多くの日本代表選手を輩出しました。
特に、SH流大、CTB中村亮土、WTB松島幸太朗選手らは2019年のワールドカップでのベスト8進出に大きく貢献し、日本代表の中心選手としてもチームを牽引しています。
例年優勝争いに食い込んでおり、今年もリーグワンを盛り上げるチームの一つであること間違いありません。
▼チームの概要
東京サントリーサンゴリアスは前身のサントリーサンゴリアスとして1980年に創設されました。
本拠点は東京都府中市であり、『東京から世界へ』というスローガンを掲げています。
チーム名のサンゴリアスの名前の由来は、チームの公式ホームページによると、以下のように定義されています。
サントリー の“ サン ”太陽の“ SUN ”と
巨人の「ゴリアス(GOLIATH)」からきています。「ゴリアス」は、巨人・ゴリアテを意味します。
(引用元:東京サントリーサンゴリアスHP)
ゴリラは「タフネス」「テンダー」「スピリチュアル」を象徴しています。
チームカラーは黄色と黒色で、エンブレムはSUNTORYと書かれたラグビーボールと、マスコットキャラクターであるゴリラをモチーフとしたサンゴリアス君が描かれています。
●チームのユニフォーム
(引用元:東京サントリーサンゴリアス公式HP)
●チームのエンブレム
(引用元:東京サントリーサンゴリアス公式HP)
▼過去の優勝実績と歴史的強さ
(引用元:サントリーサンゴリアス公式HP)
東京サントリーサンゴリアスは、日本ラグビー界で最も強豪なチームの一つとして名を馳せています。
1980年に創部されて以来、全国社会人大会で3回、日本選手権で8回、トップリーグで5回の優勝実績を誇り、長年日本のラグビー界を牽引してきました。
また、7人制ラグビーでもジャパンセブンスで3回優勝するなど、多彩な実力を発揮しています。
現在は、ジャパンラグビーリーグワンの1部に所属しており、2021-22シーズンでは準優勝を果たしました。
▼キープレイヤーのプロフィール
●斎藤直人(さいとうなおと)
(引用元:東京サントリーサンゴリアス 公式HP)
1997年8月26日生まれ。神奈川県横浜市出身。ポジションはスクラムハーフ(SH)。
3歳から、父親がコーチをしていた横浜ラグビースクールでラグビーを始める。高校は東の横綱と呼び声が高い強豪校・桐蔭学園高校に進学し、3年時にはキャプテンとしてチームを花園準優勝に導きました。高校卒業後は早稲田大学に進学し、彼が4年時の2019年度の大学選手権で、主将としてチームを11シーズンぶりの優勝に導きました。
大学卒業後はサントリーサンゴリアスに入部し、翌年の2021年6月の日本代表のヨーロッパツアーで、ブリティッシュ&アイリッシュライオンズ戦に後半から途中出場し、初キャップを獲得しました。その後、サントリーでは共同キャプテンを務め、日本代表としてキャップ数を積み重ね、2023年のワールドカップフランス大会では主力選手としてチームの躍進に貢献しました。
2023年のワールドカップでは予選戦試合に出場し、サモア・アルゼンチン戦には先発出場しました。特に、アルゼンチン戦で見せた、ラックの真裏に落とすボックスキックは、世界中のラグビーファンを驚かせ、多くのメディアに取り上げれられました。
●下川甲嗣(しもかわかんじ)
(引用元:東京サントリーサンゴリアス 公式HP)
1999年1月17月生まれ。福岡県福岡市出身。187cm、106kg。ポジションはロック(LO)、フランカー(FL)。
4歳からラグビーを始め、高校は福岡県の進学校・修猷館高校へ進学しました。高校在学時には花園出場は叶わなかったものの、U-17・U-18などの世代別日本代表に選出されました。
高校卒業後は早稲田大学へ進学し、大学3年時には上記で紹介した1学年上の斎藤選手、同じく2023年のワールドカップメンバーで1学年下の長田選手らと大学日本一に貢献しました。
大学卒業後は、サントリーサンゴリアスに加入し、2022年10月29日に行われたリポビタンDチャレンジカップ2022ニュージーランド戦で日本代表初キャップを獲得しました。
彼は、80分間縦横無尽に走り続ける運動量、外国人選手に当たり負けしないフィジカル、ラインアウトでジャンパーもできるフィジカルが強みです。
また、彼はラグビー界で「最も(運を)持っている男」として知られています。
サントリーサンゴリアスに入社間も無い2021年4月11日のNTTコミュニケーションズ戦に途中出場を果たし、出場開始1分、相手ゴール前のペナルティでSH斎藤選手からワンパスを受け取り、そのままトライしました。
日本のラグビー史上、出場後最速ボールワンタッチ→トライを記録しました。
また、そのほかにエピソードがたくさんあります。
・2023年ワールドカップは追加招集され、初戦のチリ戦でデビューし、その後イングランド戦・サモア戦に後半から出場。
・WBCが日本が優勝した大会で、家族とアメリカに観戦をしに行き、大谷翔平のホームランボールをキャッチする。
など。
ラグビーのエピソードについてはもちろん、下川選手の実力があってこそ掴んで得たチャンスですが、まさしく「運も実力のうち」を体現している選手です。
●山本凱(やまもとかい)
(引用元:東京サントリーサンゴリアス 公式HP)
2000年3月17日生まれ。神奈川県横浜市出身。177cm、98kg。ポジションはフランカー(FL)。
玉川学園小学部の3年時にラグビーを始め、中学はラグビー部のある慶應中等部に進学。中学校ではセンター(CTB)、フルバック(FB)でプレーし、試合で彼がボールを持つと、誰も止めることはできなかったそうです。
高校では系列校である慶應義塾高校へ進学。当時の監督の勧めもあり、高校2年次からセンター(CTB)からフランカー(FL)へ転向。彼の非凡なフィジカルの強さとスピードは顕在で、U-17・U-18日本代表に選出されました。
大学も系列校である慶應義塾大学へ進学。1年次からチームの主力選手として試合に出場。大学在学時にはジュニア・ジャパン、U-20に選出され、U-20アイルランドとの試合ではトライを挙げるなどして、歴史的勝利に貢献しました。
大学卒業後は、2022年に東京サントリーサンゴリアスに加入し、同年の4月のリコーブラックスラムズ戦でデビュー。試合開始直後のキックオフで、ボールをキャッチした日本代表のアマト・ファカタバに強烈なドミネートタックルを浴びせ、日本中のラグビーファンを驚愕させました。
また、彼がデビューした年に「ゴールデンショルダー賞」という数字では表れない、実際に受けたタックルから選ぶベストタックラーに贈られる賞を受賞しました。
2023年のワールドカップフランス大会のメンバーに選ばれることはなかったものの、5月28日にオーストラリアヘッドコーチ、エディー・ジョーンズ率いるバーバリアンズに招待され、世界選抜と対戦しました。
世界選抜との試合では、オープンサイドフランカーとして大柄な外国人選手を仰向けに倒すタックルやジャッカルで相手ボールを奪うなどしてチームの勝利し、世界でも十分に通用することを証明しました。
個人的には、近い将来、日本代表のオープンサイドフランカーとして活躍することを期待しています。
▼まとめ
リーグワンが発足して以来、1度も優勝したことがないものの、2023-24シーズンにおいても優勝候補筆頭格です。
例年、大学ラグビーから一流選手や、海外からのスター選手のリクルーティングに毎年力を入れており、豪華な選手を揃えています。
特に今年は、2023年のワールドカップで南アフリカ代表の中心選手として優勝に貢献したWTB/FBチェスリン・コルビやニュージーランド代表のキャプテンFLサム・ケインが新加入し、日本だけなく世界中のメディアからも注目を浴びています。
彼らのようなスター選手がリーグワンのレベルを底上げし、我々ラグビーファンを魅了してくれること間違いありません!