▼はじめに

ラグビーワールドカップフランス大会が終わり、今年の12月9日(土)にはリーグワンが開幕されます。

日本のリーグワンは、日本だけでなく、世界のトップレベルの選手達が数多く在籍しており、世界的で最も国際色豊かなラグビーリーグの1つです。

例えば、2022年度のリーグワンに所属していた選手を挙げると、世界最優秀選手に選ばれたことがある、ピーター・ステフ・デュトイ(トヨタヴェルブリッツ)やオーストラリアのトライゲッターである、マリカ・コロインベテ(埼玉ワイルドナイツ)です。

過去には、ニュージーランド代表の伝説的なスタンドオフであるダン・カーターやオーストラリアのジョージ・グレーガンも在籍していました。

今回紹介するのは、クボタスピアーズ船橋・東京ベイです。

クボタスピアーズ船橋・東京ベイは、2022-23シーズンのジャパンラグビーリーグワン決勝で、埼玉パナソニックワイルドナイツを17-15で破り、クラブ創設以来、悲願の初優勝を果たしました。

2016年にフラン・ルディケヘッドコーチが就任して以来8年間、キャプテンのCTB立川理道選手と共にチーム作りに励んできたこともあり、この優勝はチームにとって歴史を変える大きな一歩だったことは間違いありません。

また、ここ数年、大学の優秀な選手のリクルーティングに力を入れていたことも、チーム力を飛躍させました。

特にWTB根塚洸雅選手とWTB木田晴斗選手の両ウイングらは若手でありながらも、フィニッシャーとしてトライを量産し、優勝に貢献しました。

今年もリーグワンを盛り上げるチームの一つであること間違いありません。

▼チームの概要

クボタスピアーズ船橋・東京ベイは、1978年に創部されたクボタ株式会社のラグビーチームです。

現在、千葉県船橋市を本拠点としており、京葉工場内にある「スピアーズえどりくフィールド」をホームグラウンドとしています。

チームカラーはクボタ株式会社の企業カラーであるオレンジを採用しています。

●チームのユニフォーム

(引用元:クボタスピアーズ公式HP

(引用元:クボタスピアーズ公式HP

●チームマスコット

▼過去の優勝実績と歴史的強さ

クボタスピアーズ船橋・東京ベイは、2022-23シーズンにおいて、NTTリーグワンのディヴィジョン1のプレーオフトーナメントを勝ち抜き、リーグ初優勝を果たしました。

その前のシーズン2021-2022シーズンにおいても、プレーオフトーナメントで3位に入り、リーグワンの屈指の強豪チームとしての地位を築き上げました。

2016年からヘッドコーチを務めているフラン・ルディケのチーム育成と、マルコム・マークスやバーナード・フォーリーなどの一流選手や、木田晴斗選手や根塚洸雅選手などの大学からのリクルーティングが、ここ近年のチームの大躍進を支えています。

▼キープレイヤーのプロフィール

●立川理道(たてかわはるみち)

(引用元:毎日新聞

1989年12月2日生まれ。奈良県天理市出身。180cm、94kg。ポジションはスタンドオフ(SO)、センター(CTB)。

プレースタイルの特徴は、切れ味の鋭い突破と正確なコントロールで繰り出すパス・キックです。大学まではスタンドオフでプレーすることが多かったですが、クボタや日本代表ではスタンドオフのようなゲームコントロールも求められるインサイドセンターでプレーをすることが多くなりました。

兄がラグビーをしていたことをきっかけにラグビーを始めました。高校は全国屈指の強豪校・天理高校へ進学。大学も系列校である天理大学へ進学。天理大学では、キャプテンを務めた大学4年時に、大学選手権の決勝まで勝ち上がったものの、森田佳寿選手率いる帝京大学に敗れました。

大学卒業後は、クボタスピアーズに加入しました。その同年に、日本代表としての初キャップを獲得し、2015年のラグビーワールドカップイングランド大会に出場しました。同大会で、日本代表が強豪・南アフリカ代表スプリングボクスを撃破した「ブライトンの奇跡」に貢献し、インサイドセンターとしてMVP級の活躍を見せました。

2015年のワールドカップ以降、クボタスピアーズ、スーパーラグビー・サンウルブズではキャプテンを務め、日本ラグビーの躍進を支えるリーダーとして活躍しました。2022年にはクボタスピアーズの初優勝にキャプテンとして導きました。

●オペティ・ヘル

(引用元:JSPORTS コラム&ニュース

1998年7月22日生まれ。トンガの首都ヌクアロファ出身。190cm、127kg。ポジションはPR(3番)。

プレースタイルの特徴はなんと言っても190cm、127kgの体格を活かした激しいコンタクトと、相手を薙ぎ倒す規格外のパワーです。その上、相手とのコンタクト時にボールを持ち替えることで、味方にオフロードパスをしたり、ハンドオフでそのまま前進したりする器用さも兼ね備えているため、彼がボールを持つと必ず前進します。

小学校の頃にラグビーを始め、16歳の時に奨学金を得てオーストラリアへ留学し、ニューイントンカレッジで高校オーストラリア代表に選出されました。

2019年にトライアウトからクボタスピアーズに入団し、2022年のリーグワン初戦で公式戦デビューを果たしました。更には、2022年と2022-23年シーズンのリーグワンベストフィフティーンに選ばれ、今最も勢いのあるプロップのうちの1人です。

●木田晴斗

(引用元:毎日新聞

1999年4月9日生まれ。兵庫県出身。176cm、90kg。ポジションはウイング(WTB)。

プレーの特徴は、一発のタックルでは倒れない足腰の強さと、50mを6秒2で駆け抜けるスピードの速さが持ち味です。尚、トライを取り切るフィニッシャーとしての役割だけなく、貴重な左足のキッカーとしても評価されています。

小学5年から兵庫県の宝塚ラグビースクールでラグビーを始めました。その一方、幼稚園から習っていた空手では、極真空手の世界ジュニア選手権で優勝するなどして日本トップ選手でした。しかし、入学した関西大倉中学で自ら創設したラグビー部で、ラグビーに専念するために空手を辞めてしまいました。

その後はそのまま、関西大倉高校→立命館大学と進学し、大学1,2年の頃はジュニア・ジャパンとU-20日本代表に選出されました。

大学卒業後はクボタスピアーズに入団し、2022年シーズンは5試合、2022-23シーズンは16試合に出場しました。2022-23シーズンでは、リーグ戦で16トライを挙げ、トライ王には輝けなったものの、「ジャパンリーグワンベスト15」と「ベストラインブレイカー賞」を受賞しました。

▼まとめ

個人的に、クボタスピアーズは「若手・ベテラン・外国人選手」のバランスが最もうまく成功しているチームの一つだと思います。

今回の記事では紹介しませんでしたが、2019年のワールドカップで優勝に貢献した中心選手である南アフリカ代表HOマルコム・マークス選手や、元オーストラリア代表バーナード・フォーリー選手らの一流外国人選手が、チームをうまく牽引していました。

また、今年度からは、怪我によりチームから一時離脱したHOマルコム・マークスに代わって、ニュージランド代表のキャップを90を持つレジェンド、HOデイン・コールズやウェールズ代表の絶対的存在であるFBリーアム・ウィリアムズが加入します。

いつかは、日本のリーグワンのチームと世界のトップクラブのチームが優勝を競うトーナメントができたら面白うそうですね!

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